看護学生のためのブログ

看護学生の皆さんに役立つ内容を医療カイゼン委員会より伝えていきたいと思います!

国試で先天性心疾患をおさえる前に

こんにちは! 医療カイゼン委員会です。

 

先天性心疾患ってついつい敬遠しがちですが、

出題されるところは限られています。

基本だけきっちりおさえておきましょう。

 

その前に

胎児循環と新生児の循環を復習しておきます。

 

今回もイメージを持つことを目的にしています。

 

まず胎児循環です。

胎児は肺呼吸していないので、血液は肺へは流れていません。

 

ですから、

胎盤を介して母体から酸素を受け取っています。

 

臍帯(へその緒)には2本の臍動脈と1本の臍静脈が流れています。

 

胎盤から胎児に戻る臍静脈には酸素飽和度の高い動脈血が流れています。

この動脈血は臍静脈から胎児の体内に入っていきます。

臍静脈は胎児の体内に入ると静脈管となります。

この静脈管を通って胎児の下大静脈に入り、右心房へと血液が運ばれます。

 

さて、ここからがポイントです!

 

右心房に集まった動脈血(酸素化された血液)は、肺を通らずに2つの経路(=シャント=短絡)で大動脈に流れ、胎児の体中に運ばれていくのです。

 

①右心房から卵円孔(=心房中隔にあいている穴)を通って左心房⇒左心室大動脈へ。

 

②卵円孔を通らない血液は右心房⇒右心室肺動脈へ流れますが、肺には流れずに動脈管(=ボタロー管)を通って大動脈へ。

 

 

図がなくても胎児の血液の流れがイメージできたでしょうか?

 

こうして胎児の体中を流れた血液は静脈血(酸素飽和度の低い血液)となって下大静脈へ戻ります。

この静脈血はまた二つの経路で、胎児の体内に流れる血液と、胎盤へ流れる血液に分かれます。

A)胎児の体の中のまま下大静脈⇒右心房⇒①または②

B)胎児の体から出て、臍動脈(胎児から出ていく2本の血管)⇒胎盤(ここで酸素交換される)⇒臍静脈⇒胎児の体内=静脈管

 

さてここからは新生児の循環です。

出生後オギャーと啼泣した瞬間に肺呼吸が開始し、今まで流れていなかった肺へ血液が流れ、劇的な変化が起こります。

 

動脈管と卵円孔が閉鎖していき、

左心系(体循環)と右心系(肺循環)とのあいだの

シャント(=短絡=動脈血と静脈血のミックス)はなくなります。

 

途中で抜け道なく、成人と同じく

“右心系” 

上下大静脈⇒右心房⇒右心室⇒肺動脈⇒肺⇒肺静脈⇒

“左心系”

左心房⇒左心室⇒大動脈⇒体

 

右心系から肺に流れ、左心系に入り、

大動脈から全身を循環して、上・下大静脈に戻り右心系に帰っていく、という直列回路になるというイメージです。

 

このイメージが湧くと先天性心疾患の病態が理解しやすくなります。

 

もう一度レビューブックの図を見てこの説明と照らし合わせて是非理解してくださいね!

国家試験まであとわずか。

頑張って乗り越えましょう!

 

 

看護師・看護学生のためのレビューブック 2016

看護師・看護学生のためのレビューブック 2016